最終更新日:2026年9月|執筆・調査:田中 涼介(通信費専門ライター・元生活困窮者支援員)
「自分の審査が通らないので、子供名義で契約できないか」
「子供に持たせたいが、親名義と子供名義のどちらがいいのか」
「子供名義にすると審査は変わるのか」
「名義貸しは違法だと聞いたけれど、親子でもだめなのか」
「子供名義」で調べている方には、大きく2つの立場があります。子供に持たせたい親と、自分の名義で契約できないので子供の名前を使えないかと考えている親です。
この記事では両方に答えます。結論から言うと、契約自体はできます。ただし後者の使い方には、法律よりもっと現実的な問題があります。
結論|契約はできる。ただし支払いの記録は子供に残る
要点を先にまとめます。
- 子供名義の契約自体はできる。18歳未満なら親権者の同意書が必要
- 契約者と実際に使う人が違う場合は、利用者登録という仕組みがある
- 親族間で端末を渡すことは、法律上は事業者の承諾が要らない
- ただし料金の支払い義務は名義人である子供に発生する
- 滞納すれば、その記録は子供の名前で残る
「違法だからやめたほうがいい」という話ではありません。子供が将来スマホを契約するときに困るという話です。ここを詳しく説明します。
子供名義で契約するときに必要なもの
年齢によって手続きが変わります。
| 子供の年齢 | 名義 | 必要なもの |
|---|---|---|
| 小学生以下 | 親名義が一般的 | 子供を利用者として登録する。ドコモは小学生以下の場合、親権者名義での契約を案内しています |
| 12歳〜17歳 | 子供名義も可 | 子供の本人確認書類+法定代理人の同意書+同意者の本人確認書類 |
| 18歳以上 | 本人名義 | 本人確認書類のみ(同意書は不要) |
17歳以下で子供名義にする場合、同意書を書くのは親権者です。親権者以外でも、後見人や施設関係者が書ける会社があります。詳しくは17歳が親なしで携帯契約する方法|同意書は親以外でも書けるにまとめました。
なお、18歳未満が使う場合はフィルタリングサービスへの加入が原則として必要です。楽天モバイルは18歳未満の利用者に「あんしんコントロール」の契約を必須としています。
親が使うために子供名義で契約するとどうなるか
ここが本題です。自分の審査が通らないので子供の名前で契約し、実際には親が使う。このやり方について、事実を分けて説明します。
法律上、親族間で端末を渡すのに承諾は要らない
「名義貸しは違法」と書かれているのをよく見かけますが、条文を読むと親族は例外扱いです。携帯電話不正利用防止法の第7条第1項にこうあります。
契約者は、自己が契約者となっている役務提供契約に係る通話可能端末設備を他人に譲渡しようとする場合には、親族又は生計を同じくしている者に対し譲渡する場合を除き、あらかじめ携帯音声通信事業者の承諾を得なければならない。
携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律/衆議院
親子は親族なので、端末を渡すこと自体に事業者の承諾は必要ありません。重い罰則(2年以下の懲役または300万円以下の罰金)が定められているのは、業として有償で譲渡した場合です。副業感覚で契約して他人に売る、といった行為が対象で、家庭内で使うケースとは前提が違います。
ただし、本人確認で嘘をつくことは禁じられている
同じ法律の第3条第4項は、契約時の本人確認について次のように定めています。
相手方(中略)及び代表者等は、携帯音声通信事業者が本人確認を行う場合において、当該携帯音声通信事業者に対して、相手方又は代表者等の本人特定事項を偽ってはならない。
同法第3条第4項より
本人特定事項とは、氏名・住居・生年月日です。これを隠す目的で偽った場合、第19条で50万円以下の罰金と定められています。子供本人の情報を正しく申告している限り、この条文に触れることはありません。
ただし各社の契約約款では、契約者と実際に使う人が違う場合に利用者登録を求めています。届け出をせずに使い続けると、約款違反として契約解除や利用停止の対象になり得ます。
本当の問題は、滞納したときに子供の名前で記録が残ること
法律よりも現実的で、しかも取り返しがつきにくいのがこちらです。
契約者が子供である以上、料金の支払い義務は子供にあります。実際に払っているのが親でも、携帯会社から見れば請求先は名義人です。
そして携帯会社どうしは、料金の不払い情報を交換しています。一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)が運営する仕組みで、契約解除後に料金不払いがある人の情報を会社間で共有し、新規申し込みの審査に使っています。参加事業者にはNTTドコモ、KDDI・沖縄セルラー電話、ソフトバンク、楽天モバイル、UQコミュニケーションズなどが並びます(出典:不払者情報の交換/一般社団法人電気通信事業者協会)。
ここで何が起きるか、順を追うとこうなります。
- 親の審査が通らないので、子供名義で契約する
- 支払いが苦しくなり、滞納する
- 強制解約になる
- 不払いの記録が、子供の氏名と住所で登録される
- 数年後、子供が就職や進学で自分の携帯を契約しようとする
- 身に覚えのない理由で、審査に通らない
この記録は契約解除後5年間残ります。18歳で子供が自分のスマホを持とうとしたとき、13歳のころに親が作った滞納が理由で断られる、ということが実際に起こり得ます。
就職活動で連絡先が必要な時期に、それが原因で携帯を持てない。これが、子供名義で契約することの一番のリスクです。
なお、この記録は料金を完済すれば対象から外れます。すでに心当たりがある方は、まず完済状況を確認してください。解除の時期や調べ方は携帯ブラックはいつ解除される?自分で調べる方法と解除を待たずにスマホを持つ方法にまとめています。
契約者と使う人が違うときの正しいやり方
子供に持たせたい場合の、まっとうな手順を整理します。
親名義で契約して、子供を利用者として登録する
携帯会社には利用者登録という仕組みがあります。契約者は親、実際に使うのは子供、と届け出る手続きです。これをしておけば、名義と利用実態のずれが問題になりません。
小学生以下の子供に持たせる場合は、この形が基本です。ドコモは小学生以下の場合、親権者名義での契約を案内しています。
支払い義務は契約者である親にあるので、万一滞納しても子供の名前に記録は残りません。
中学生以上なら、子供名義も選べる
12歳以上であれば子供名義の契約もできます。子供が自分で料金を払う(アルバイト代から出すなど)場合や、独立して生活している場合はこちらが自然です。
ただし前述のとおり、支払いが滞れば記録は子供に残ります。親が払う前提なら、親名義+利用者登録のほうが子供を守れます。
親の審査が通らないときにすべきこと
「自分が契約できないから子供名義で」と考えている方へ。その前に試せることがあります。
なぜ落ちているのかを切り分ける
審査に落ちる理由は、大きく2つに分かれます。
- 過去の携帯料金の未払い TCAで情報が共有されているため、会社を変えても結果は同じです。完済すれば対象から外れ、契約解除から5年で自動的に抹消されます
- 端末の分割払い 回線契約とは別の審査です。割賦販売法にもとづき支払い能力が確認され、支払総額が10万円を超えると年収や借入状況まで見られます
後者が原因なら、端末を分割で買うのをやめるだけで解決します。手持ちの端末を使うか、中古端末を一括で買ってSIMだけ契約すれば、この審査自体が発生しません。子供名義にする必要はありません。
過去の未払いが原因なら、断らない会社を選ぶ
未払いの記録が残っていて、完済も5年待つこともできない場合は、過去の滞納を理由に断らないサービスがあります。独自の基準で判断している会社で、携帯ブラックや強制解約後の方でも自分名義で契約できます。
子供の名前を使わずに、自分名義で持てます。子供に記録を残すリスクを負う必要はありません。
子供の名前を使わずに、自分名義で持つ
過去の滞納や強制解約を理由に断らない独自審査のサービスです。公式サイトには年齢・本人確認書類・過去の支払い状況の3つを選ぶだけの「1分の契約診断」があり、申し込む前に今の状況で契約できるかを調べられます。
1分の契約診断で今の状況を調べる誰でもスマホ公式/クレカ不要・3GB 3,250円(税込)から※診断は簡易的なもので、契約できるかを確約するものではありません。18歳未満は契約できません。
子供名義の携帯契約でよくある質問
Q. 子供名義で契約して親が使うのは違法ですか?
携帯電話不正利用防止法では、親族または生計を同じくする人へ端末を渡す場合、事業者の承諾は不要とされています。重い罰則があるのは業として有償で譲渡した場合です。ただし各社の約款では契約者と利用者が違う場合の届け出を求めており、無届けのまま使うと契約解除の対象になり得ます。
Q. 子供名義にすると審査は通りやすくなりますか?
子供に過去の未払いがなければ、回線契約は通る可能性があります。ただし端末を分割で買う場合は支払い能力が見られるため、収入のない未成年では通りにくくなります。そして滞納したときの記録は子供に残ります。
Q. 何歳から子供名義で契約できますか?
会社によりますが、12歳以上を目安に本人名義の契約ができます。小学生以下は親権者名義での契約を案内している会社が多く、ドコモもその扱いです。18歳未満はいずれも法定代理人の同意書が必要です。
Q. 親が滞納すると子供はどうなりますか?
契約者が子供なら、不払いの記録は子供の氏名で登録されます。携帯会社間で共有され、契約解除後5年間残ります。子供が自分で契約しようとしたときに断られる原因になります。料金を完済すれば対象から外れます。
Q. 子供名義の契約を親名義に変更できますか?
名義変更の手続きがあります。ただし変更時にあらためて審査が入るため、親の側に未払いの記録があると通らないことがあります。手数料がかかる場合もあるので、契約前にどちらの名義にするか決めておくほうが確実です。
Q. 子供が18歳になったら名義はどうなりますか?
自動では変わりません。親名義のまま使い続けることも、子供名義に変更することもできます。子供が独立するタイミングで名義を移すのが一般的です。
まとめ:契約はできる。ただし子供の名前に記録が残る
- 子供名義の契約自体はできる。12歳以上が目安で、18歳未満は法定代理人の同意書が必要
- 親族間で端末を渡すことは、法律上は事業者の承諾が要らない(携帯電話不正利用防止法 第7条1項)
- ただし本人確認で氏名・住居・生年月日を偽ることは禁じられている(同法 第3条4項、罰則は第19条)
- 一番のリスクは、滞納したときに不払いの記録が子供の名前で5年間残ること
- 子供に持たせるなら、親名義で契約して子供を利用者登録するほうが子供を守れる
- 親の審査が通らない場合は、子供名義にするのではなく、まず落ちた理由を切り分ける
端末の分割払いが原因なら、一括購入やSIMのみ契約で解決します。過去の未払いが原因なら、それを理由に断らないサービスがあります。どちらの場合も、子供の名前を使う必要はありません。
審査に落ちる仕組みの全体像は審査不要でスマホ契約する全手順【携帯ブラック・無職・生活保護の方も対応】にまとめています。
最後に|子供に記録を残さないために
- 端末の分割が原因で落ちているなら、一括購入かSIMのみ契約で解決する
- 過去の未払いが原因なら、それを理由に断らないサービスで自分名義を取る
- 子供に持たせたいだけなら、親名義で契約して子供を利用者登録する
- 不払いの記録は完済すれば対象から外れ、契約解除から5年で自動的に抹消される
※コンビニ払いは決済手数料550円(税込)が別途かかります。18歳未満は契約できません。